「やる気」が、カンタンに操作可能だと知った瞬間、人生はイージーモード。

学生のとき、何もかも面倒になるときが、しばしばあった。

勉強を始めれば眠たくなる。

外にいきたいのに、腰が重く、結局家で過ごしてしまう。

新しいことを始めようと決意したのに、手つかずのまま。

そんなことが続くと、すべてが後手にまわってしまい、本当に大したことができなかった。

そして、その原因を「やる気」が湧かないせいだ、と思っていた。

「やる気」さえあれば、外に出て見分を広げることもできただろう。

交友関係をもっと広げることもできただろう。

あるいは、ビジネスや研究活動に打ち込むこともできたかもしれない。

だが現実的には、日々を漫然とルーティンワークの中で過ごし、大して面白くもないゲームに興じた。

そして、就職しても、根本は変わらなかった。

だが、学校と違うことが一つだけあった。

偶然にも採用してもらえた会社は非常に激務で、常に忙しい環境だったのだ。

毎日、こなしきれないほどの大量の仕事が降ってくるので、「やる気」を引き出すことは全く不要の環境だった。

激務は嫌、という人は多いかもしれないが、「やる気をださなくていい」環境は、実はとても気楽だった。

だから、「なんとなく充実したような気持ち」にはなる。

そうして、就職して1年ほどが過ぎた。