2025年、日本株市場は一時的な調整局面にあり、多くの銘柄が割安な水準で推移しています。特に、業績が堅調でありながら市場の注目を浴びていない「割安成長株」は、長期投資家にとって魅力的な投資対象となり得ます。本記事では、四季報を活用し、現在放置されている「成長の原石」とも言える銘柄を厳選して紹介します。
1. 日本製鉄(5401)
日本製鉄は、国内最大手かつ世界有数の鉄鋼メーカーであり、自動車・建設・インフラ・家電など幅広い分野に鋼材を供給しています。主要子会社としては日鉄エンジニアリングをはじめ、グループ会社を通じてエンジニアリング事業や化学、材料加工など多角化を進めています。
- 業績動向: 2025年3月期第3四半期累計の売上高は6兆5,525億円(前年同期比-1.3%)、営業利益は5,661億円(前年同期比-8.5%)、最終利益は3,620億円(前年同期比-17.9%)でした。通期では最終利益3,100億円を予想していますが、第3四半期時点で既に通期計画を上回るため、今後上方修正の可能性も示唆されています。
- 株価指標: PER(会社予想)は約10.91倍、PBR(実績)は約0.68倍、配当利回り(会社予想)は約4.66%となっており、割安感があります。
- 今後の展望: 国内外のインフラ投資や自動車需要の回復が追い風になる一方、米国や中国の関税問題の影響が懸念材料となっています。
2. セプテーニHD(4293)
セプテーニHDは、IT関連事業を展開する企業で、特にデジタルマーケティングや広告関連のサービスに強みを持っています。
- 株価指標: 配当利回りは6.74%、PBRは1.40となっており、高い配当利回りと比較的低いPBRを持つことから、投資家の注目を集めています。
- 今後の展望: デジタルマーケティング市場の拡大に伴い、同社の成長が期待されています。
3. 東京インフラ(9285)
東京インフラは、インフラ関連事業を展開する企業で、特に再生可能エネルギーや環境関連のプロジェクトに注力しています。
- 株価指標: 配当利回りは5.99%、PBRは0.58となっており、割安感があります。
- 今後の展望: 環境意識の高まりや政府の政策支援を背景に、再生可能エネルギー市場の成長が期待されています。
4. リリカラ(9827)
リリカラは、製造業を中心とした事業を展開する企業で、特に環境対応製品や高機能素材の開発に注力しています。
- 株価指標: 配当利回りは5.36%、PBRは1.01となっており、高い配当利回りと適正なPBRを持つことから、投資家の注目を集めています。
- 今後の展望: 環境対応製品の需要増加や高機能素材の開発により、同社の成長が期待されています。
5. ディスコ(6146)
ディスコは、半導体製造装置を中心に事業展開している企業で、特に半導体の加工・検査装置に強みを持っています。
- 業績動向: 2024年度の売上高は前年比で12%増加し、営業利益も14%増加しました。特に、データセンターやAI向け半導体の需要が急増しており、同社にとっては追い風となっています。
- 今後の展望: 半導体業界の成長が続く限り、ディスコの技術革新も業績を後押しすることが期待されます。調整局面での割安感もあり、買い時の銘柄と言えるでしょう。