日本株市場は堅調な地合いが続く中、注目すべきは以下3つのテーマ銘柄だ。
最新データを織り交ぜながら、各成長ドライバーとその注目企業を解説する。
生成AI・AIインフラ:国内ハード&ソフトに追い風
世界規模でAI革命が進むなか、日本でも「生成AI」「AIインフラ」関連銘柄が再評価されている。
ブラックロックは2025年の年間展望で、AIを“成長の双エンジン”と位置付け、日本株にも割安感と構造改革を評価し「オーバーウェイト」とする背景に注目。
- 日立製作所(6501)
AI×送配電の社会インフラ融合を加速。FT誌によれば市場価値は過去2年で3倍超、AI・クリーンエネルギー領域で存在感が際立つ 。 - フジクラ(5803)
光ファイバー・電線最大手。データセンター増設・AI需要に伴い成長。2024年に株価5.5倍の実績あり。バイ・アメリカン法対応で米国シェアも拡大。 - アドバンテスト(6857)
AI用高精度半導体検査は高付加価値。2025年3月期営業利益は前期比2倍予想と、業績面で本命視 。
再生可能エネルギー&電力インフラ:蓄電・送配電に焦点
エネルギー転換に向け、再エネと蓄電・送電体制の整備が加速中。
福島に1GWh級の蓄電所建設計画が進行中で、再エネ比率の30%超を目指す動きと連動 。
- 日立製作所(6501)(重複だが本棚)
AIだけでなく送配電・電力制御分野も牽引。 - TEPCO(9501)
送電網強化、2027年までに送電網関連投資へ3,700億円超を計画。 - Sustech(※非上場企業)
再エネ+AI予測サービスで800百万ドルの資金調達。今年Nasdaq上場予定 。
自動運転&ロボティクス:現場適用フェーズへ
農業・建設など重機の自動化が本格化。CESではJohn DeereやCaterpillarが自動運転デモを披露 。
国内ではAI搭載クラウドや地図整備企業に注目が集まる。
注目銘柄
- GMOインターネット(4784)
“チューリング”との協業により、高性能GPUクラウドを活用した自動運転AI基盤を提供 。 - ダイナミックマッププラットフォーム(336A)
政府補助を受けて公共エリア向けダイナミックマップ整備。社会実装の要となるインフラ整備 。 - モルフォ(3653)/アイサンテクノロジー(4667)
画像処理・3次元地図・センサー融合による自動運転ソリューション開発を先行 。
投資戦略:セクター内・銘柄内の“バランス型集中”
- AI分野:日立、フジクラ、アドバンテストを軸に中型〜大型株を分散。
- 再エネ&送電:TEPCOで基盤を抑え、Sustechなど未上場も注視。
- 自動運転:GMO、モルフォ、アイサンへの中小ハイリターン狙い。
キャッシュポジションを維持し、急落時を押し目と捉える姿勢が有用。
2025年後半は「AI」「再生可能エネルギー」「自動運転」の3大テーマが、日本市場で構造的な成長を遂げるタイミングに入る。特に日立製作所はAI~送電まで複数テーマを網羅し本命株の位置づけ。
中小型株ではフジクラ、アドバンテスト、GMOインターネット、モルフォ等がサブ本命として期待できる。政策・技術進展と市場動向を注視しつつ、テーマ横断的な分散投資を基本に据え、押し目で拾う機会を狙うスタンスが効果的だろう。