2025年春、日本の株式市場ではAI(人工知能)と半導体関連企業が引き続き注目を集めています。生成AIの普及や高性能コンピューティング(HPC)の需要拡大により、関連企業の業績は好調を維持しています。以下に、特に注目すべき5銘柄を紹介します。
1. アドバンテスト(6857)— AIチップ検査装置で世界をリード
半導体検査装置の大手、アドバンテストは、AI関連チップの需要増加に伴い、業績を大きく伸ばしています。2025年1月には、通期の営業利益予想を37%上方修正し、2,260億円と発表しました。2024年10~12月期の営業利益は前年同期比158%増の692億円となり、過去最高を記録しました。CEOのダグラス・ルフェバー氏は、AI関連の高性能半導体向けテスターの需要がさらに増加していると述べています。
2. ディスコ(6146)— 精密加工装置でAI時代を支える
ディスコは、シリコンウエハーの研削やチップの切り分けに使用される精密加工装置を製造しています。AIの進展により、半導体チップの高速化ニーズが高まる中、同社の製品は先端パッケージング技術の進化を支えています。2022年末から株価は5倍以上に上昇しており、AI需要による半導体市場の成長が同社の成功に寄与しています。
3. 東京エレクトロン(8035)— 半導体製造装置で世界トップクラス
東京エレクトロンは、半導体製造装置市場で世界シェアトップクラスの地位を確立しています。AIやIoTの拡大により、需要が急増している先端半導体製造技術への投資を強化しており、2025年現在も株価は順調に成長中です。
4. SUMCO(3436)— シリコンウエハーでAIサーバーを支える
SUMCOは、シリコンウエハーで信越化学工業と並ぶ世界大手です。AIサーバー1台で300ミリウエハを約1.8枚使用するとされ、一般サーバーに比べて約3.4倍のシリコン面積が必要とされています。同社ではAIサーバーが2027年まで年平均26%の伸びとなり、ウエハ需要の拡大が見込まれています。
5. ソフトバンクグループ(9984)— Armとの連携でAIチップ市場に参入
ソフトバンクグループは、AI分野で多数のスタートアップに投資を行っており、特に半導体設計企業「Arm」を通じて、グローバルな半導体需要の中心に位置しています。2025年、Armの上場成功によりグループ全体の利益が大幅に増加しています。
これらの企業は、それぞれの分野で独自の強みを持ち、今後の成長が期待されます。投資を検討する際には、各企業の最新の業績や市場動向を注視し、慎重な判断が求められます。